仮面夫婦マリアージュ～愛のない一夜でしたが妊娠しました～

両家共に、赤ちゃんの性別が男児だと判明し、喜びに湧いた。

桜の花が散り、五月に入る。

臨月に入った私は実家に里帰りした。
「お帰りなさいませ。お嬢様」
執事の村瀬さんとお母様が私を出迎えてくれた。

「ただいま」

「お帰りなさい。亜優」

「荷物は私がお持ち致しますので、颯真様、お嬢様と先に中へとお入り下さい」

「ありがとう…村瀬さん」

私を自宅まで送ってくれた颯真さんも家の中へと入って行く。

「お邪魔します。お義母さん」

「いらっしゃい。颯真さん」

母の案内でリビングルームに通された。

「いよいよね・・・」

臨月となると検診も一週間単位になっていく。

毎週のように槇村先生と顔を合わせる。