仮面夫婦マリアージュ～愛のない一夜でしたが妊娠しました～

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会社を早退し、帰宅すると激怒した母が私に詰め寄って来た。

「亜優貴方…昨晩何があったの？」

「えっ？」

「酒井先生の秘書から電話がありましたよ…この縁談を破談したいと…」

迅速なスピードで、破談を突きつけられ、取り付く島もなかった。

「一体何があったの？亜優」

「酒井さんの誘いを断りました…それだけです…」

「貴方ね…」

母は落胆しショックで、隣に立っていた執事の村瀬さんの方によろけてしまった。


「奥様、大丈夫ですか？奥様！！」

私は無視して、階段を上がって、二階の自室に入ってクローゼットの中からボストンバックを取り出して、目に付いた服や下着を入れ込んで行った。

この家にはもう居られない。出て行くしかない。