仮面夫婦マリアージュ~愛のない一夜でしたが妊娠しました~
彼と出逢ってから一ヵ月半。

周防家の力の凄さを実感した。

「亜優、余り食べてないけど、気分でも悪いのか?」

「え、いえ・・・別に…」

颯真さんは食の進まない私を気遣う。

貴方のコトを想うキモチで胸がいっぱいで、お腹が空いていないとは言えなかった。

「ゴメンなさい…気分が悪いので、席を外すわ」
美穂さんが急に席を立つ。
そして、部屋を出て行った。
「医者は激務だからな・・・」

「えっ?」
「東亜の麻酔科医は人手不足らしいから…結構忙しいらしいよ」

「そうなんですか…」

「流伽君も、今から体力付けておいた方がいいぞ。医者は体力要るから・・・」

「はい…」

颯真さんの言葉に流伽は素直に返事した。

私には偉そうな態度なのに、父と同じで人によって態度を変える流伽。

父と流伽、それに母も私以外の家族全員…世渡りが上手で、羨ましかった。


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