仮面夫婦マリアージュ~愛のない一夜でしたが妊娠しました~
「院長から訊いて、すっ飛んで来たのよ」

「あ、美穂さんはアルバイトでウチの麻酔科医をしているんだ…」
「午前中、仕事で此処に来てたの…東亜に戻ろうとした時に院長から内線貰って…」

「・・・美穂さん…顔色悪くないか?」

「え、あ…別に大丈夫ですよ…院長・・・!?」

美穂さんは急に下腹部を押えて、その場に蹲る。

「美穂さん!!?」

槇村先生は慌てて椅子から腰を上げて、美穂さんに寄り添う。

「…流産かもしれない…」


「妊娠してるのか?美穂さん」

美穂さんは静かに首を縦に振った。


槇村先生は美穂さんをお姫様抱っこして診察台に寝かせ、エコー検査を始める。
「これは…直ぐにオペの準備だ…」
先ほどまで、意識があった美穂さん。
でも、顔面を蒼白させ、意識を失っていた。

看護師たちが槇村先生の指示で慌ただしく動き始めた。












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