仮面夫婦マリアージュ~愛のない一夜でしたが妊娠しました~
仮面夫婦は返上
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「すいません…私…貴方から頂いたアフターピル飲むのを忘れてしまって…」
私は彼に腰を折り、必死に謝った。
美穂さんの妊娠を隠し、自分のミスで妊娠してしまった。
私と颯真さんは終わりだ。頭を下げたまま彼の足許の革靴を見つめる。
彼の顔をまともに見れなかった。
彼は私の妊娠なんて望んでいないはず。
「亜優の妊娠は大丈夫なのか?異常はないのか?」
心配そうに響くテノールの声。
私は顔を上げて返した。
「あ、はい…大丈夫です。赤ちゃんの心臓の音もしっかりと訊きました。予定日は来年の五月十五日だそうです…」
「そっか…良かった…」
彼は私の妊娠なんて喜んでいるはずがないのに。
心から喜んでいるかのように見える。
颯真さんは色素の薄い瞳を潤ませ、私をギュッと抱き締めて来た。
「そ、颯真さん!?」
「・・・仮面夫婦は返上だ…本物の夫婦になろう…亜優」
「えっ?」
「・・・君のコトを愛してると言っても…あの日の夜は君のコトを愛してなかった。
でも、それからは・・・俺の頭の中は亜優のコトで一杯で…俺は君を助けたくて助けたくて…仕方がなかった。
見合い話は嘘だ…」
「颯真…さん!?」
「俺達の夫婦生活は始まったばかり…軌道修正はできると思う。
産まれて来る子供の為にも俺達は寄り添わないと…」
「私が妻で本当にいいんですか?」
「俺は亜優でなきゃ嫌だ・・・」
彼はそう耳許で囁く。
「美穂のコトは俺や母さんと父さんが何とかする。亜優は此処に居る俺と君の子を守ってくれ」
颯真さんはそっと私のお腹に触れた。
「行こうか?亜優」
「うん」
私はコクリと頷く。
「すいません…私…貴方から頂いたアフターピル飲むのを忘れてしまって…」
私は彼に腰を折り、必死に謝った。
美穂さんの妊娠を隠し、自分のミスで妊娠してしまった。
私と颯真さんは終わりだ。頭を下げたまま彼の足許の革靴を見つめる。
彼の顔をまともに見れなかった。
彼は私の妊娠なんて望んでいないはず。
「亜優の妊娠は大丈夫なのか?異常はないのか?」
心配そうに響くテノールの声。
私は顔を上げて返した。
「あ、はい…大丈夫です。赤ちゃんの心臓の音もしっかりと訊きました。予定日は来年の五月十五日だそうです…」
「そっか…良かった…」
彼は私の妊娠なんて喜んでいるはずがないのに。
心から喜んでいるかのように見える。
颯真さんは色素の薄い瞳を潤ませ、私をギュッと抱き締めて来た。
「そ、颯真さん!?」
「・・・仮面夫婦は返上だ…本物の夫婦になろう…亜優」
「えっ?」
「・・・君のコトを愛してると言っても…あの日の夜は君のコトを愛してなかった。
でも、それからは・・・俺の頭の中は亜優のコトで一杯で…俺は君を助けたくて助けたくて…仕方がなかった。
見合い話は嘘だ…」
「颯真…さん!?」
「俺達の夫婦生活は始まったばかり…軌道修正はできると思う。
産まれて来る子供の為にも俺達は寄り添わないと…」
「私が妻で本当にいいんですか?」
「俺は亜優でなきゃ嫌だ・・・」
彼はそう耳許で囁く。
「美穂のコトは俺や母さんと父さんが何とかする。亜優は此処に居る俺と君の子を守ってくれ」
颯真さんはそっと私のお腹に触れた。
「行こうか?亜優」
「うん」
私はコクリと頷く。