仮面夫婦マリアージュ～愛のない一夜でしたが妊娠しました～

「槇村先生…そのみほりんは止めてって何度も言ってるでしょ？」

「いいじゃん。東亜のアイドルなんだから…それよりも・・・久世さんが一人で見舞いに来るなんて…てゆーか、みほりんの入院、誰に訊いたの？まさか…久世さんが…」

「そうですよ…彼女の流産した子のパパです」

「久世さん！！？」

この人が美穂さんの…恋人？

「そうなの!!?図星？」

「槇村先生…それは・・・」

「…俺と君の仲は隠し通せるモノでもないじゃん・・・美穂…そうだろ？」

「・・・」

「俺は君のカラダを傷つけた。責任を取る…そう周防会長にも伝えておいてくれ。いいなっ。美穂。俺は又来るよ。美穂、愛してる」

「…久世さん・・・」

久世さんは私達に気遣い、病室を出て行く。

「…相手は久世さんだったのか…そりゃ分からないはずだ…皆、院内に居ると思っていたから…東亜に出入りしている業者は想定外だよ…でも、彼と宇佐美社長は確か…異母兄弟だっけ…」

「槇村先生・・・」

「・・・お二人の結婚が公になる時まで、内緒にするから安心して…」

「でも、槇村先生って…院内では顔が広いし、口軽いから…」

「・・・秘密は守るよ。ねっ、亜優さん」

「あ、はい…颯真さんたちにも秘密にした方がいいですか？」

出来れば、美穂さんのコトを心から心配しているお義父さん達や颯真さんには話しておいた方がいいと思うけど。

「私の口から話すから…それまでは言わないで…亜優さん」

「分かりました」