仮面夫婦マリアージュ~愛のない一夜でしたが妊娠しました~
「彼は大切な我が社の大口の取引先…断るコトは出来ないぞ…亜優」

「でも・・・私は…まだ・・・就職したばかりで…」

「…わしは別にお前の働きに何の期待もしていないぞ」

「お父様!?」

父が期待を寄せているのは六歳下の今年・東亜医科大に入学した弟の流伽(ルカ)だけ。
幼い頃から、傍から見ても、弟の贔屓は酷かった。

流伽は優秀で、何をしても卒なくこなした。
家族の中心はいつも流伽で、私の存在が薄かった。

でも、干渉はされた。
仕事の多忙な父から一身に子供の教育を任された母。
何をするにも母の許可で要り、自由がない子供時代を過ごした。それは大学に進学しても同じだった。
自分の世界を広げたくて、英文科に入学。夏休みを利用した語学留学、母に相談すれば、行く必要がないと一喝されて私だけ出来なった。

就職先も父の会社。

そして、見合い…結婚…

私は両親に指図されるままの人生を送っていた。

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