仮面夫婦マリアージュ~愛のない一夜でしたが妊娠しました~
戌の日
週末、私は颯真さんの自宅にへとお邪魔する。

「お邪魔しています」
リビングには美穂さんと久世さんがソファで座り、私達を待って居た。

「こんばんわ」

彼と会うのは『清友会総合病院』で会って以来だから一ヵ月振りだった。

「お腹も少し目立って来ましたね…」

「あ、はい…」

「・・・検診には会社を休んでお兄様も付き添うのよ。匠海。どう思う?」

「あ…素敵なコトだと思うけど…何か問題でもあるの?美穂」

「…お父様の愛妻家の遺伝子をしっかりと継承していると言いたいの」

「愛妻家ね…じゃ颯真さんを見習って…俺も美穂のコトを第一に考えようか…」

「えぇ~っ!?それは・・・」
美穂さんが照れ臭そうに頬を染める。

「ダメか?」

久世さんはふわりと微笑んだ表情で美穂さんを一途に見つめ、問いかけた。
その雰囲気が隣にいる颯真さんと被る。
二人は似たタイプかもしれない。

「別に…悪いとは言わないけど…」
彼の笑みにつられるように美穂さんも微笑み、視線を泳がせながら返した。

二人も仲よさそうで安心した。
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