仮面夫婦マリアージュ~愛のない一夜でしたが妊娠しました~
槇村先生と医局長との折り合いが悪くなった原因は遥さんにあった。
詳しい事情は分からないけど、温厚な槇村先生が怒らせたんだ。余程の事情があったんだろう。
「お産はいつ始めるか分からないし、産科医は大変な仕事だからな…」
私達は車で、日本橋にある『水天宮』に向かう。
「颯真さん…」
「何?」
「あの・・・槇村先生の言っていたその・・・」
女の私が切り出してはイケナイ話かもしれない。
でも、私と颯真さんには大切な話。
「私は初体験で妊娠してしまったワケですが…」
「・・・確かにそうだな…」
「これからどうするんですか?その…夫婦としての営みは…」
「…俺の本音から言えば、妊婦の亜優に手を出すのが凄く怖いんだけど…美穂の流産の件もあるし…安定期に入って槇村先生からいいと言われても…ちょっと・・・」
「颯真さん…」
「・・・愛してないから求めないワケじゃないぞ…亜優と赤ちゃんを大切にしたいから…求めないんだ…」
「でも・・・私が赤ちゃん産むまで…我慢できますか?」
「うーん・・・」
颯真さんは悩ましそうに首を傾げ、語尾を濁してしまった。
詳しい事情は分からないけど、温厚な槇村先生が怒らせたんだ。余程の事情があったんだろう。
「お産はいつ始めるか分からないし、産科医は大変な仕事だからな…」
私達は車で、日本橋にある『水天宮』に向かう。
「颯真さん…」
「何?」
「あの・・・槇村先生の言っていたその・・・」
女の私が切り出してはイケナイ話かもしれない。
でも、私と颯真さんには大切な話。
「私は初体験で妊娠してしまったワケですが…」
「・・・確かにそうだな…」
「これからどうするんですか?その…夫婦としての営みは…」
「…俺の本音から言えば、妊婦の亜優に手を出すのが凄く怖いんだけど…美穂の流産の件もあるし…安定期に入って槇村先生からいいと言われても…ちょっと・・・」
「颯真さん…」
「・・・愛してないから求めないワケじゃないぞ…亜優と赤ちゃんを大切にしたいから…求めないんだ…」
「でも・・・私が赤ちゃん産むまで…我慢できますか?」
「うーん・・・」
颯真さんは悩ましそうに首を傾げ、語尾を濁してしまった。