今日も、明日も、お前に恋をする。
Chapter 1
∟私の彼氏
桜がヒラヒラと綺麗に舞う4月。
今日から新学期がはじまる。
着なれない制服のジャケットに腕を通し、ピカピカと光るローファー靴を履き、玄関を開ける。
すると、フワリと春の心地よい風が私を包み込んだ。
私、月島未来(つきしま みく)は、今日から高校1年生になる。
数日前まで中学生だったのに、新しい制服を着るだけで、なんだか大人のお姉さんになった気分になる。
これからの学校生活を考えると、楽しみの反面、新しい場所でやっていけるのか不安もある。
なんとかなる....よね。
「よしっ!」
自分の頬を軽くパチンと叩き、一歩を踏み出そうとしたら。
「ちょっと、未来~!?」
玄関を開けながら、私の名前を呼んだお母さん。
「わっ、どうしたの?」
忘れ物でもしちゃった?
でも、昨日の段階では忘れ物はなかったはず。
「どうしたの?じゃないわよ。
ほら、これ自転車の鍵」
はい、と自転車の鍵を私に渡してくれる。
だけど。
「お母さん、高校には徒歩で行くんだよ?」