今日も、明日も、お前に恋をする。



「あっ、先輩のネクタイちょっと曲がってます。」


「え?」


「少しじっとしててくださいね!」


先輩のズレたネクタイを直す。


「はい、もう大丈夫ですっ」


へへっと、先輩の顔を見上げるようにして微笑んだ。


「.......っ、ほら、行くぞ」


先輩は、ぶっきらぼうにそう言うと私の手を握り、学校に向かう。


そのぶっきらぼうさが照れ隠しなのを私は、知っている。


先輩、かわいい。
なんて、思ってしまう。


「ねえ、先輩」


「なに?」


「今日も、好きです。」


「........っ、急だな」


先輩に言われた言葉で、ハッと我に返る。


うわあ.....っ
私、いきなり何言ってるんだろう、


「せ、先輩、気にしないでくださいね!」


先輩が今、どんな表情をしているのかわからない。
けど、きっと迷惑そうな顔をしているはず。

ううん、違う。

この言葉を言うと、先輩はいつも同じ顔をする。


少し寂しそうな表情で、どこか困ったように微笑むの――。


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