今日も、明日も、お前に恋をする。




その意味を、私は知っている。


私が告白するたびにきっと先輩は、私じゃなくて、違う人を思い浮かべるんだろう。
私なんかより、好きな人から聞きたい言葉のはずだから。


私は、先輩と繋がれた手を見ながら、キュッと唇を噛む。



それでもいいと、願ったのは私なのに。
先輩の心が私じゃなくて、他の人がいてもいいと―。

なのに、人間は貪欲で。

初めは、小さなことが嬉しかったのに。
次は、次はって思っちゃう。


心のどこかでは、私を1番に見てよって。
私の先輩の1番にしてよって。

――そう思ってしまっている。



こんなこと思ったらダメなのに。


先輩は自分の気持ちを押し殺して、私と付き合ってくれているというのに――。




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