【完】恋の治療は保健室で〜秘密の遠距離恋愛〜
昼休み、上野君はお化けのデザインを描いている。どんな衣装になるんだろう。

「瑠衣君はどんな衣装がいい?」

まただ。瑠衣君、旅行から帰って来てからずっとぼーっとして何かを考えている。話しかけても、何回か呼ばないと気づかない。

「ねえ、平川君」

「なんだ?」

「ちょっとお願いがあるんだけど...」



平川に呼ばれて屋上に来た瑠衣。

「平川君用事って何?」

「ちょっとな」

「奏に何か頼まれたの?」

「やっぱり分かっちゃうか」

「まあね。僕が最近、話しかけられても返事するのに時間がかかってたからね。それで心配になったんだと思う..」

「確かに心配してたぞ。旅行から帰ってからコソコソと電話してたり、ぼーっとする事が多くなったって。何かあったのか?俺でよかったら相談に乗るぞ」

「ありがと。実は実家に帰った時、小学校から一緒だった女の子が待っていてね。その子にいつ、戻るんだって聞かれて。僕は戻る気は無いって言ったんだけど、その子は戻ってきてほしいみたいで。帰ってからもその事でずっと連絡してくるんだ」
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