【完】恋の治療は保健室で〜秘密の遠距離恋愛〜
瑠衣に引きづられながら道を歩く絵美里。

「瑠衣ちゃん聞いてるの?ねえ、瑠衣ちゃん!」

「聞いてるよ。っで、結局何しに来たのさ?」

「勿論、瑠衣を連れて帰るためよ!ねえ、さっきの奏って子が瑠衣ちゃんの好きな人?」

「そうだよ。でも奏には恋人がいるんだ」

「なら諦めて帰ろうよ。またダンスで世界目指そうよ...!」

「僕はもう、世界は目指していない。今は高校生活を楽しみたいんだ...」

「あの頃の瑠衣ちゃんは輝いていたのに...。今の瑠衣ちゃんはあたしの瑠衣ちゃんじゃない...」




夕方、奏が帰ってきた。絵美里は玄関で怒った顔をしながら待っていた。

「た、ただいま...」

この子なんでこんなにあたしを睨むんだ?

「奏おかえり。今日もおじさんもおばさんも遅いって」

「あたしのところにもさっきメールきたよ。絵美里、夕飯食べってって」

「夕飯より今は...」

ぐぅ〜

「仕方ないから食べてあげるわよ...!」
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