【完】恋の治療は保健室で〜秘密の遠距離恋愛〜
「絵美里ちゃん?」

「なのに、二年になる前に瑠衣ちゃんの転校が決まって...中止になったって聞いたのに瑠衣ちゃんは転校して行った。行く前に理由を話してくれんだ」

『なんで?転校は中止になったのに、なんで転校するの?』

『決めたんだ。僕は、好きな子に会うために昔住んで居た場所に戻るって。転校が決まったのはいい機会だったんだ。絵美里、僕が居なくても学校ちゃんと行くんだよ?』

「瑠衣ちゃんはあんたに会うためだけに転校して行ったんだ。あんたさえいなければ瑠衣ちゃんは転校しないで住んだし、世界でダンスをする事が出来たんだ」

「世界でダンス?」

「瑠衣ちゃん、転校する前にダンスの大会で世界に行って、それからよく声を掛けられることが多くなって。あっちの高校に通いながらダンスをやらないかって。けど、瑠衣ちゃんは断り続けた。その理由も転校する時と同じ。日本を離れたくなかったんだ。あんたと再会したいってその頃からずっと思ってたんだ」

瑠衣君があたしの事を好きなのも、ダンスで世界に行ったのは知ってたけど、まさかそんな...。あたしのせいで世界に行けなかったなんて...。きっと悔しかったはず。

「瑠衣ちゃん、絶対後悔してる。今ならまだ間に合う。そう思ってあたしは瑠衣ちゃんを連れ戻しに来たんだ...!」
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