トライアングル・ビーチ
ぎくしゃくと着替えを鞄に突っこみながら、視野の隅で佐治くんを探した。
瞬間、ぎょっとする。ネイビーブルーのスイムウェアを着た佐治くんは、すぐ斜め後ろにいた。
うわああ。心臓が、もたない……。
「内藤さーん、こっちにドリンク類まとめたけどオッケー?」
幹事の成田くんが由良に声をかけてくる。
「おっ、いい感じじゃーん。まさかビールとか持ってきてないよね?」
「そのまさかでーす」
「嘘!?」
「嘘に決まってんだろアホか」
由良がわたしの隣りを離れ、成田くんとじゃれ合うように喋っている間、佐治くんはぼんやりとこちらを見ていた。
わっ、久しぶりなのにこんな格好だし、どうしよう話題が――
「市井さん」
「はいっ」
突然名前を呼ばれて声が裏返り、「ひゃいっ」みたいな間抜けな返事になった。
「なんか久しぶりだよね」
目のやり場に困るのか、佐治くんはわたしの首のあたりに視線を据えて言った。胸の奥が甘く疼く。
「うん、久しぶ……」
「お待たせーっ」
そのとき、背後からまゆきの艶っぽい声がした。
瞬間、ぎょっとする。ネイビーブルーのスイムウェアを着た佐治くんは、すぐ斜め後ろにいた。
うわああ。心臓が、もたない……。
「内藤さーん、こっちにドリンク類まとめたけどオッケー?」
幹事の成田くんが由良に声をかけてくる。
「おっ、いい感じじゃーん。まさかビールとか持ってきてないよね?」
「そのまさかでーす」
「嘘!?」
「嘘に決まってんだろアホか」
由良がわたしの隣りを離れ、成田くんとじゃれ合うように喋っている間、佐治くんはぼんやりとこちらを見ていた。
わっ、久しぶりなのにこんな格好だし、どうしよう話題が――
「市井さん」
「はいっ」
突然名前を呼ばれて声が裏返り、「ひゃいっ」みたいな間抜けな返事になった。
「なんか久しぶりだよね」
目のやり場に困るのか、佐治くんはわたしの首のあたりに視線を据えて言った。胸の奥が甘く疼く。
「うん、久しぶ……」
「お待たせーっ」
そのとき、背後からまゆきの艶っぽい声がした。