溢れる想いを青に込めて。
「私、すごく自分勝手だった。だから水泳やめたことも、リツとの関係壊したこともずっと後悔してて。その時やっとリツと水泳できてたことが、ほんとに幸せだったなって気づいて。」
リツの目が見開かれる。
リツが困惑しているのが伝わってきた。
私は目を伏せてさらに自分の心の内をさらけ出す。
「中学3年の冬、SCに行ったの。リツの泳ぎが見たくて。でも、そこで泳いでたリツは全然リツらしくなくて、私が勝手に去ったことでリツがこんな風になっちゃうなんて思ってなくて。だからね、私とリツの関係をきちんと終わらせなきゃいけないって思ったの。そうしないと私たち、前に進めないでしょ?」
眉を下げて笑った私に、リツは言った。
「俺、カナが終わらせようとしてたこと分かってたよ。自分のために泳いでって言われて、正直どうしていいかわかんなかった。だって、俺たちずっと一緒に泳いできたじゃん。それなのに急にそんなこと言われて俺、ほんとに辛かった。」
リツの綺麗な顔が歪み、苦しんでいるのが伝わってきた。
「なあ、カナ。俺は、この関係終わらしたくないんだよ。俺もカナと同じようにずっと後悔してた。あの時、俺も自分のことで精一杯でカナにかける言葉間違えて。ほんとかっこ悪いよな。だけど、今からでも間に合うと思うからちゃんと言うよ。」
リツの真剣な目が私を捉える。
あの頃のようなまっすぐな瞳。
その目は私を逃がさなかった。
そして、リツの口が開く。