溢れる想いを青に込めて。
「リツ、、もしかしてここ!?」
「おう。カナも好きだろ?」
そう、ここはスポーツショップ。
私たちが以前何度も訪れた場所だった。
「俺、水着新しいのにしたかったんだ。カナ、選んでよ」
とリツが笑って言った。
リツがデートみたいなことをするとは思っていなかったけどまさかこことは。
あ然としながらリツと水着コーナーに向かう。
リツは夢中になって水着を見ている。
仕方ないなあと思いつつ、
「これとかどう?」
と、私も水着選びに集中していた。
リツはいつも膝上くらいの水着でラインが綺麗なものを好んで着ていた。
どれがいいかあれこれ悩んでいると、パっと視界に入った水着がぴったりで思わず声を上げた。
「リツ!これ、どう!?」
リツの顔がとたんに笑顔になり、
「これめっちゃいい!さすがカナ!」
と私の頭をぐしゃぐしゃにかき回した。
「もうっ!」
と少し怒った声で言うと、ごめんって、と反省していなさそうな声で笑って言った。
「じゃ、試着行ってくる」
リツが試着している間、何となく私も水着を探していると
「あれ、叶波」
と聞いたことのある声がしたので、振り返るとそこにはゆうちゃんがいた。
「あ、ゆうちゃん。水着探しに来たの?」
と尋ねると
「まぁね。叶波も?」
と聞かれたので、私じゃないんだけどなぁと返答に困っていると、ちょうどリツが試着室から出てきた。
「カナ〜誰かいるのってあれ、楠、、?」
リツは驚いたように声をだした。