溢れる想いを青に込めて。
「うん。ゆうちゃんがいたんだけど、、」
「君は確か、青井君だね。叶波は青井君と来たってこと?」
「あー、うん。そうなの」
と、目を泳がせながら答えるとゆうちゃんはとんでもないことを言った。
「2人は付き合ってるの?」
はぁ!?
という私とリツの見事なハモリの後に
「違うってば!」
「そ、そんなんじゃねぇしっ!」
とまたも同じタイミングで答える。
するとゆうちゃんはにっこり笑って
「じゃあ、叶波。今からお茶しない?」
とこちらをしっかり見つめて言った。
それが突然で、しかもさらっと言うのでへっ?と間抜けな声が出てしまった。
ゆうちゃんからの誘いは嬉しいけど、今はリツと遊びに来ている訳だし申し訳ないけど断ろう、と思っていると
「カナは俺のもんです」
と何故かリツが怒ったような口調で言った。
そして強引に私の手を取り歩き出した。
突然だったのでビックリしながらも
「ごめん、ゆうちゃん。またね」
と慌ててゆうちゃんの方に声を発した。
リツはまだ怒っているようで、会計の時もムスッとしていた。
お店を出て、また手を掴まれながらリツに連れていかれた場所は人気のない非常階段だった。
「リツ、どうしたの?」
そう声をかけたけどだんまり。
頭の中でハテナがいっぱい浮かぶ。
「ゆうちゃんと会ったこと気にしてるの?」
そういうと、リツはぶっきらぼうに
「その、ゆうちゃんって呼び方。馴れ馴れしいし、第一なんで楠のこと知ってんの」
と口をとがらせた。