溢れる想いを青に込めて。

「はぁぁ。疲れた〜」

そう言ってプールサイドに座り込む。

この前リツが言ってた、部長は部活になると厳しい、というのは本当のことだった。

今日は部活初日だというのに、みっちり3時間もしごかれた。

「お疲れ/お疲れ様」

と、双子の那桜・莉桜先輩が2人して声をかけてくれた。

「先輩!お疲れ様でした。」

小さくお辞儀をすると、

「七瀬さん、ほんとに綺麗に泳ぐね」

と、那桜先輩が言った。

いえ。まだまだです、と答えようとすると遠くから走ってきたリツが大きな声で

「ですよねっ!那桜先輩より全然上手っすよね!!」

と割り込んできた。

「おい、何か言ったか?‪💢」

と那桜先輩が怖い目をしてリツを睨む。

そして、リツのこめかみを両の拳でグリグリと押さえつけた。

「いたたたたっ!!ちょっ、先輩っ」

とリツが涙目になりながら言うと、

「俺の専門はバッタだっつってんだろ」

と那桜先輩が言った。

「あ〜!そうでしたね!バッタ以外何も出来ないのが那桜先輩でしたn、、、、、、っいたたた!」

リツが先輩にむかって生意気なことを言うから、また頭をグリグリされている。

何やってんだか、とため息をついていると

「叶波ちゃん」

と、声がして振り返ると莉桜先輩がいた。

「あれはね、いつもなの。犬猿の仲って言うのかな。相性悪いみたい」

と、リツたちを指さして言った。

「だから、ほっといていいよ。それより、着替え行こ?」

と莉桜先輩が微笑む。

まあ、リツのことだしいっか、っと思い直して先輩と着替えに向かった。





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