溢れる想いを青に込めて。
夢を追いかけるために。
―地区大会まで残り1ヶ月。
私たち水泳部は泳ぎに泳いで、体力も精神も削られる地獄の日々をおくっていた。
それもそのはず、ついに選手と補欠メンバーが発表された。
水泳部は人数がとてつもなく多い訳では無いが、枠が限られているので選手に選ばれない人も出てくる。
だから1年生から選手として出られる人は少なくなるのだが、私とリツは無事にバックの100メートルでレギュラー入りをした。
部長の厳しさは相変わらずで怖いけどそれでもやっぱり、楽しいという思いの方が強かった。
それに部長ら3年生は今年で最後。
この地区大会で結果を残さないと、今までの努力がすべて水の泡になってしまう。
だけど、大会、という大きなプレッシャーに押しつぶされてしまって、結果がいまいちになってしまう人も多くいる。
だからこそ、部長は水泳の厳しさをずっと私たちに指導してきてくれた。
私たちが、そしてなにより自分が、後悔しないために。
それなら、私たち1年生がすることはただ1つ。
―全力で泳いで、全力で応援すること。
先輩から教わった全てをぶつけるために、私たちは泳ぐ。
部長も、高峰先輩も、他の先輩も。
皆、本気なんだ。