溢れる想いを青に込めて。
―1位 高峰直也
―2位 〜〜〜〜
電子板に先輩の名前が堂々とのっていた。
私の目に透明な液体が溜まっていく。
ぼやけた視界の中プールへ視線を戻すと、先輩が水面に思いっきり拳を打ちつけていた。
キラキラと光りながら水が綺麗に跳ねている。
「っしゃ!!」
先輩の声はどこまでも響いていた。
それが私の心に希望を与える。
―私も先輩みたいに夢を掴みたい。
ただただそう思った。
「カナ。行くぞ」
リツの声にハッとし、目元を擦って勢いよく立ち上がる。
「うん!」
元気よく返事をすると菜桜先輩が笑って
「頑張って!」
と応援してくれた。
心のなかで感謝をしながら、召集所へと足を向ける。
―はやく泳ぎたい。
リツと、仲間と。
どんどん想いが高まっていく。
大会、という舞台に出られただけでも幸せなのに、いまの私の周りにはリツが、仲間がいてくれる。
こんなに幸せなことは無い。
―だから私は泳ぐんだ。
リツと、仲間のために。
私はそのためにここにいるのだから。