王子様の寵愛は突然に―地味っ子眼鏡への求愛のしかた―【コミカライズ原作】
「深く考えなくていい、君は僕といれば商品開発を学べる。
君が作成したプレゼンを見て意見を交わしたり、インスピレーションを高めるデートを提供したり、知識なら惜しみなく捧げる。」
「――――」
「戸惑うかもしれないけど、どうにか受け入れてくれないかな。」
大きな手で少しだけほつれた私の髪を耳にかけながら、顔を覗き込んでくる。
その指先は、離れていくのが寂しくなるくらい優しくて。
碧い瞳がなんだか切なげで。
とても切実で必死に見えるのは、私の自惚れだろうか。
胸がギュウギュウときつく締め付けられて痛い。
この優しい提案には私に対するメリットしかなくて
これで畳み掛けてくる社長は、本当にずるい。