王子様の寵愛は突然に―地味っ子眼鏡への求愛のしかた―【コミカライズ原作】
昼休み前の、商品開発チームフロア。
軽快な足取りで、私のデスクにやってきた加藤部長から小さな箱受け取る。
「ふりかけの改善決まって良かったな――。漆鷲社長に感謝だ。」
「はい。無事、管理チームからも認められて何よりです」
「午後から試作よろしくな」
「はい!」
いつもなら無駄話をしていく部長は、フロアを早足で出ていく。
ここ最近はチーム全体に慌ただしい雰囲気が漂っていた。