王子様の寵愛は突然に―地味っ子眼鏡への求愛のしかた―【コミカライズ原作】
運転手付の高級車が私の住むアパートの前に停車すると、社長は外まで見送りに出てきてくれた。
「送っていただきありがとうございます⋯⋯。なんだかしていただいてばかりで申し訳ないです」
「僕がそうしたいだけだから」
そう微笑んで、社長は手にしていた紙袋を差し出す。
なんだろう?
おそるおそる受け取って中身を確認すると、
「これ⋯⋯本橋屋の」
目をまん丸くしてスーツの長身を見上げると、優しげな碧の宝石が甘く煌めいている。
「この前のお詫びと思って受け取ってくれないかな。ぐしゃぐしゃにしちゃったし⋯⋯」
「ですがあれは社長のせいではありませんし――!」