王子様の寵愛は突然に―地味っ子眼鏡への求愛のしかた―【コミカライズ原作】
「いや、全然疲れていない。大丈夫」
「本当か? 帰ってからもプレゼンとか作ってて疲れてるんじゃねぇの」
「そこまでまだ追い込みかけてない。ちょっと、最近変な夢見るだけ」
ものすごく変な夢ね。
「ならいいが。今日は早く終わるからな。あと少し頑張るぞ」
そう言って、肩を叩いた園部は機械の調整をしている美来ちゃんと緑川くんのものへとむかう。
ふと、データー入力を再開しながらデスクトップの端にある時計に目を移す。
もう、定刻は過ぎてる。
⋯⋯待ってるのかな。
いつも満面の笑みで出迎えてくれる、美しい王子を脳裏に浮かべた。