王子様の寵愛は突然に―地味っ子眼鏡への求愛のしかた―【コミカライズ原作】
そんなことを考えながら、淹れてくれたコーヒーに手を伸ばし、窓際のデスクで忙しそうに電話をする横顔を眺めた。
相槌をうつたびにふわふわ揺れる、星の輝きのようなキラキラした髪。
部屋のライトに反射して、宝石のように輝く碧いふたつの瞳。
光沢のあるブラックスーツに、華やかな赤いネクタイ。
確か、レストランで食事したときも確か紫やピンクのネクタイだった。
もしかしたら、少し派手なものが好きなのかな。
ボーっと見ていたら、こちらを向いた。
『ご、め、ん、』
桃色の唇が形取ると綺麗な指先で『ちょっと待って』とジェスチャーを見せ、そして再び流暢な外国語を奏でながら電話へと戻る。
「――⋯⋯」
はっ!
なにボーっと見惚れてるの!
社長が落ち着くまで、見やすいように資料を準備しておこう。
今回は少しでも、見れるものになってるといいんだけど。
そんなことを考えて、資料をテーブルに並べたが、
――――――