王子様の寵愛は突然に―地味っ子眼鏡への求愛のしかた―【コミカライズ原作】

「そこから君のことを目で追っていて⋯⋯あの日、ドンと落とされた感じかな。」


長い指先が、トンと眼鏡のブリッジに触れる。


あの日? 落とす?


「へ?」と首を傾げると、


「好きになったってこと」


魅力的に碧色の瞳を細めながら社長が言う。


す、好き⋯⋯⋯⋯


途端に心がトクトクと鳴り出し、頬にカッと熱が灯りだす。


社長が、私のことを好き? あの日っていつのこと?


結婚とか一緒にいたいとか、伝えてくれたけど

こうもはっきり言われると、どうしたらいいのかわからなくなる。


動揺を隠すように眼鏡の位置を整えていると、


「――――覚えてない?」


社長が何かを伺うように、手すりに肘をかけて私を覗き込む。
 

「――え?」

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