王子様の寵愛は突然に―地味っ子眼鏡への求愛のしかた―【コミカライズ原作】
社長の気持ちは素直に嬉しい。
真っ直ぐ好きだって言ってくれたのもそうだし、
仕事を頑張っているところを認めてもらえるなんて、すごく嬉しい。
しかし、培ってきたコンプレックスが、たびたび顔を出す。
これは私の問題だ。
私は後ろめたさを抱えながら、向き合った。
「――でも社長、申し訳ありませんが、その気持ちは⋯⋯」
サッと目の前に影がかかると、紡ごうとした唇に唇が触れて言葉を遮られた。
つけたままの眼鏡が、高い鼻筋に押されて食い込む。
「――っ」
キス⋯⋯
驚いて言葉を失っているとすぐに唇は離れ、鼻先が触れ合う距離で透き通る瞳と交わる。