王子様の寵愛は突然に―地味っ子眼鏡への求愛のしかた―【コミカライズ原作】


ちょっとまって。

この人、もしかして。


私は瓶底の眼鏡に手を添えて、サングラスを避けながらうずくまる相手を、まじまじと観察した。

ほんのり癖のある、少し長めのマッシュヘア―は小さな顔を包んだ上に天使の輪が乗っていて。

痛みに揺れるコバルトブルーの瞳は、街灯のオレンジが交じりあい、異質な美しさを放ち。

長身は小さく折りたたまれ、長い指先で高い鼻筋をさすっていた。

こんな状況ですら、絵画のような美しさを放つ人なんてそうそういない。


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