王子様の寵愛は突然に―地味っ子眼鏡への求愛のしかた―【コミカライズ原作】
プロローグ 真面眼鏡と和菓子と社長
今年も、この時期がやってきた。
「えぇ――今配ったように、今年も社内コンペやるからな。毎年やってるからわかると思うけど、期限は6月の末で授賞式は7月はじめ。いつもとおなじで――――」
夕焼け差し込むオフィスフロアの中央で、もやしのような五十代男性・加藤部長が、たった今配布した資料を掲げて説明していた。
毎年やってるとはいえ、ちょっと説明が雑すぎると思ったけれど、フロアは目まぐるしく、真面目に聞いてる社員はいない。
「部長。今年のテーマはなんですか?」
隣のデスクの同期から手が挙がった。
聞いている人がいたことに、部長も驚いている。
「今年は『女性』と『健康』がテーマだ。授賞目指して頑張れよ。」
そう言って軽く打ち切った部長は、愛想笑いを浮かべたあと、奥のデスクへと戻ってゆく。
今年も、この時期がやってきた。
「えぇ――今配ったように、今年も社内コンペやるからな。毎年やってるからわかると思うけど、期限は6月の末で授賞式は7月はじめ。いつもとおなじで――――」
夕焼け差し込むオフィスフロアの中央で、もやしのような五十代男性・加藤部長が、たった今配布した資料を掲げて説明していた。
毎年やってるとはいえ、ちょっと説明が雑すぎると思ったけれど、フロアは目まぐるしく、真面目に聞いてる社員はいない。
「部長。今年のテーマはなんですか?」
隣のデスクの同期から手が挙がった。
聞いている人がいたことに、部長も驚いている。
「今年は『女性』と『健康』がテーマだ。授賞目指して頑張れよ。」
そう言って軽く打ち切った部長は、愛想笑いを浮かべたあと、奥のデスクへと戻ってゆく。