王子様の寵愛は突然に―地味っ子眼鏡への求愛のしかた―【コミカライズ原作】
「――積極的で嬉しいな。なら島田が迎えにくるまで⋯⋯もう少しだけ食べさせて」
え⋯⋯?
迫りくる巧妙な美術品のような顔。
碧色の瞳はすぅっと細められて
頬が傾けられる。
違う⋯⋯ 違うって!
「ち、ちがっ――――んんっ!!」
唇が触れ合う直前、社長は怪しげな笑顔を浮かべ、滑らかな舌をちらっと覗かせながら、私にぱくっと食いついた。
やっぱり漆鷲社長は王子様なんかじゃない―――⋯⋯
頬を包まれ、思考が止まるような熱烈なキスに、私の身体から力がぬける。
言葉とおりの食べつくされそうなキスに、戸惑いながらも翻弄されたのだった。
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