王子様の寵愛は突然に―地味っ子眼鏡への求愛のしかた―【コミカライズ原作】


「それにしても――」


コーヒーから口を離した主任は、私を見た。


「真島、あんた噂とは全然違うわね」

「ぶふっ!」


いきなりぶっこんできた話題に、コーヒーを吹き出しそうになってしまった。

慌ててハンカチを取り出して口を抑えながら、


「まぁどんな噂かは、予想つきますけど。」


と、げんなりしながらため息をつく。

大体、学生のときからそうだったので、もう耐性はついてきた。


まぁ、ついてきた⋯⋯。
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