王子様の寵愛は突然に―地味っ子眼鏡への求愛のしかた―【コミカライズ原作】
「まぁ、深くは聞かないわ。付き合っていようがいまいが、相手が王子様?じゃなにも言えないだろうし」
再びパンパンと背中が叩かれる。
痛いけど、助かった。
「――すみません」
なにも話すことのできない私は、それしか言えなかった。
頼りがいのありそうな主任に、全てを打ち明けてしまいたい気持ちもあったけど、様々な感情が入混ざっていて、どう話していいかも分からなかった。
それに、女性社員の憧れの的である彼との事を話すには、例え付き合っていないにしても迷惑かけるような気がする。
なにしろ相手は私だ。
私はまだしも、社長までなにか言われたら嫌だし。
そんな事を思案していると、