王子様の寵愛は突然に―地味っ子眼鏡への求愛のしかた―【コミカライズ原作】
デートの日
そして、四日後。
約束のデートの日はとてもよく晴れていた。
安定の瓶底の眼鏡と、黒色の大きめのチュニック、そして水色のボーイフレンドデニムに身を包んだ、地味な私は緊張で縮こまっていた。
「どうぞ」
「失礼します⋯⋯」
家まで迎えに来てくれた社長にエスコートされ、私はピカピカの高級車へ、おそるおそる乗り込む。
最後に彼の自宅でキスを交わしてから、約三週間。
帰国してから社内で何度か見かけたけど、こうして会うのは久々で⋯⋯胸が詰まりそう。
鮮やかな濃厚ブルーのシャツ
すらりと長い足を細身の黒のパンツに包んでいて
袖口から見える、セクシーな手首には大きな高級腕時計。
上品かつシンプルな格好は、彼の魅力を最大に引き立てていて、見てるだけでドキドキする。
そして、久々の対面ということが私の心をより刺激した。
私服姿⋯⋯はじめて見た。
運転席に回り込んだ社長が乗り込み、シートベルトを取り付けると、ゆっくりと滑らかに車は滑り出した。
何度か送ってもらったこともあるのに、デートって意識するだけでものすごく緊張する。