王子様の寵愛は突然に―地味っ子眼鏡への求愛のしかた―【コミカライズ原作】
温かいダージリンティーを手に、ソファーに並んで腰を下ろした。
なんだかいいなぁ、こういうの。
お風呂上がりに、隣には永斗さんがいて。
二人でこうやってお茶飲んで、なんでもない話しをして。
心があったかくなる。
「そういえば来美は明日、何か予定ある?」
「いえ、特には⋯⋯」
そう言いかけて、ふと思い出す。
「あ――でも、そろそろコンペのプレゼンに本腰を入れないと時間がありませんので、服が届きしだい帰りたいと思います」
「そうか⋯⋯」
「どうかしましたか?」
空になったカップを静かにソーサーに戻し、天井を見上げて考える横顔を覗き込む。
「――明日作業したかったら、うちのPC使っていいよ」
「え⋯⋯ここのですか?」
「うちのPCならコンペの応募フォームも入ってるし、ウチから君の自宅なり、会社のパソコンなりデーター飛ばせばいい。明日は僕も昼に一度抜けるけど、すぐ戻るから、ゆっくりしていって欲しい⋯⋯」
優雅に微笑んで、とても素敵な提案をしてくれた。