王子様の寵愛は突然に―地味っ子眼鏡への求愛のしかた―【コミカライズ原作】
「一体どういうことだ」
あの翌日から社外での仕事が建て込み、
僕がようやく会社に顔を出せたのは、授賞式の前日のことだった。
ここ三日間、ものすごく焦燥感に駆られていた。
朝から社長室のデスクで頭を抱え、ここ最近の来美の様子を思い返す。
あの日の夜、アパートに帰っていない事を心配した僕は、すぐさま電話をした。
数コールなったあとに、いつも通りの電話に出た彼女は、僕が口を開くよりも先に
『今日は急用で帰ってしまって、すみませんでした』
電話を口で頭を下げているのが想像出来る勢いで謝ってきた。