王子様の寵愛は突然に―地味っ子眼鏡への求愛のしかた―【コミカライズ原作】

それから翌日、どうしてもひと目会いたい僕は、来美にメッセージを送った。

至ってシンプルに『会いたい』と。

たまに社内で遠目で見かけることはあるが、それが余計会いたいと思う気持ちをつのらせる。

もう二週間以上触れていないんだ。

会いたくて狂いそうだ。

さらに、縁談のことで誤解をさせていないか、そして誰と共にいたのか、それらが気にかかってる僕にとって、そろそろ限界だった。

もちろん彼女も同じように思ってくれていると思ってワクワクしながら返事を待っていたんだが


『私も会いたいです。授賞式を終えたらお話しがありますので、お時間ください』


喜びに包まれたのは、わずか数秒のみ。

しかしよく考えて、ハッと思い至る。

『授賞式を終えたら』⋯⋯?

それも

『お話しがあります』

改まってどういうことだ?

⋯⋯どんな話し?

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