王子様の寵愛は突然に―地味っ子眼鏡への求愛のしかた―【コミカライズ原作】
しかし、昼休みの最中。
さらに不可解な出来事が起きた。
さっきのはなんだったんだ⋯⋯。
島田の追加変更の業務連絡を頭に入れながらも、度々意識が逸れそうになるのを慌てて留める。
「――明日の帝國ホテルでの授賞式ですが、社長から発表と授与をお願いします。
それから、予定していた授賞者決定の会議ですが、本日の16時からにしてほしいと、会長から連絡がありました。」
「⋯⋯ああ、わかった」
ふせんメモに記入しデスクのパソコンに貼り付けていると、いつもならすぐ仕事に取り掛かる島田が動こうとしないことに気づいた。
大概こういうときは、いいことが無い。
「なに?」
「⋯⋯何かありましたか?」
ぴくっ。と肩を上げそうになるのを留めた。