王子様の寵愛は突然に―地味っ子眼鏡への求愛のしかた―【コミカライズ原作】

「⋯⋯なにも?」

「昼休み、商品開発チームを訪れていたようですが、もしかして真島さんに会いにいったんですか?」

「―――」


見られていたのか。

事なきを得るように振る舞っていたが⋯⋯情けない。

僕が押黙るのを確認すると、島田は口元を片方吊り上げた。


「つい先ほど資料を置きに松田主任のもとに訪れたとき、チクチク言われましたので。」


松田さん余計なことを。


「―――」

「『明日までこのフロアに顔を出すな』と言ってましたがなにかありましたか?」

「⋯⋯はぁ」


あれはやっぱり、追い出されたのか。

一体なぜだ―――

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