王子様の寵愛は突然に―地味っ子眼鏡への求愛のしかた―【コミカライズ原作】
2章 眼鏡と笑顔と三ヶ月と SIDE永斗
2章 眼鏡と笑顔と三ヶ月 SIDE 漆鷲 永斗
『恋』―――
それは特定の異性に強くひかれて、深く想いを寄せること。
だとしたら、僕の恋は、就任した日からはじまっていたんだろうか。
「みなさん、おはようございます。
本日から、代表取締役社長に就任します、漆鷲永斗と申します。どうぞよろしくお願いいたします。」
一月の半ば。
レインボーヒルズタウン内にあるオフィスビルの本社。三十ニ階。
英国紳士のような笑み貼り付けた僕は、フロアごとに就任の挨拶周りをしていた。
ホールディングス会長である祖父からの命令で、再び本社勤務を命じられたのは数カ月前。
長い間の海外勤務を経てようやく日本に戻ってきた。
これからは日本のフーズに、新たな風を取り入れ、成長させなくてはならない。
もともと、漆鷲財閥というのは、この『漆鷲フーズ』からはじまったもの。
それがどんどん大きく成長し、財閥という形に変化し。
そして解体後はホールディングスという企業に形を変えて、今では『漆鷲フーズ』という一つの傘下企業として存在している。
もう今年で六十年だ。
今年はその記念すべき年ということもあり、ホールディングスの方でも様々なイベント企画し、消費者の購買意欲をはかる策略を練っている。
もちろん僕もだ。
多忙な一年になりそうだが、いい刺激になりそうだ。
『恋』―――
それは特定の異性に強くひかれて、深く想いを寄せること。
だとしたら、僕の恋は、就任した日からはじまっていたんだろうか。
「みなさん、おはようございます。
本日から、代表取締役社長に就任します、漆鷲永斗と申します。どうぞよろしくお願いいたします。」
一月の半ば。
レインボーヒルズタウン内にあるオフィスビルの本社。三十ニ階。
英国紳士のような笑み貼り付けた僕は、フロアごとに就任の挨拶周りをしていた。
ホールディングス会長である祖父からの命令で、再び本社勤務を命じられたのは数カ月前。
長い間の海外勤務を経てようやく日本に戻ってきた。
これからは日本のフーズに、新たな風を取り入れ、成長させなくてはならない。
もともと、漆鷲財閥というのは、この『漆鷲フーズ』からはじまったもの。
それがどんどん大きく成長し、財閥という形に変化し。
そして解体後はホールディングスという企業に形を変えて、今では『漆鷲フーズ』という一つの傘下企業として存在している。
もう今年で六十年だ。
今年はその記念すべき年ということもあり、ホールディングスの方でも様々なイベント企画し、消費者の購買意欲をはかる策略を練っている。
もちろん僕もだ。
多忙な一年になりそうだが、いい刺激になりそうだ。