王子様の寵愛は突然に―地味っ子眼鏡への求愛のしかた―【コミカライズ原作】



「永斗さん。そろそろ会議がはじまる時刻です」


見上げると、一瞬のスキの無いブラックスーツの島田がデスクの前に立っていた。

もうそんな時間か。

腕時計は16時を指している。


「いこうか」


フーズとホールディングスの役員の間で執り行われる、授賞者を決定する会議。


僕にとっても、他人事ではない。


彼女の努力の結果を見届けるときが来た。


来美のプレゼンは良い出来だったが


こればかりは祈るしかないな。


明日、トロフィーを渡せるのが、彼女でありますように。


そう願わずにはいられない―⋯⋯



――――――







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