王子様の寵愛は突然に―地味っ子眼鏡への求愛のしかた―【コミカライズ原作】
「真島先輩を全身プロデュース⋯⋯」
「―――」
なんか飛躍してるような。
大きなクリクリした瞳が、舐め回すように私を見つめる。
だ、大丈夫かな。
「実は――⋯先輩を着飾るのって、私の夢だったんですよねぇ〜! それも泣きつかれるなんて⋯⋯ふふふ」
「―――」
頼む相手を間違えたかもしれない⋯⋯。
どうしよう。
もう逃げられなさそうだし。
⋯⋯いや。
でも、今の私に頼む相手は美久ちゃんしかいない。
腹をくくるしかないんだ!
「なら、気合いれましてぇ――『美久りんのプロデュース』開始いたしましょうかぁ」
⋯⋯本当に大丈夫かな。
「⋯⋯当日のアドバイスをもらえるだけで充分なんだけどね」
そんなおかしなプロジェクトが幕を開けた。
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