王子様の寵愛は突然に―地味っ子眼鏡への求愛のしかた―【コミカライズ原作】



「――で、なんで私は美久ちゃんの家にきているんだろう」


あれから家に帰ろうとしたところ

なぜか仕事の準備と着替えを取ってくるようにと言われ、美久ちゃんのマンションに連れ込まれた。

私の住むアパートより二駅くらいの先、1DKの間取りは、立地が不便なことから家賃が安いらしいけど。

キッチンでお茶を淹れて上機嫌な美久ちゃんは、可愛い小物やマイルームを見せたい雰囲気ではなさそう。


なら一体なぜ?


私のひとりごとが聞こえた美久ちゃんは、鼻歌を歌いながら振り向く。


「そんなの決まってますよぉ。協力するんですから、お泊り会して、王子との熱〜い密事を教えて下さい?」


なんか言ってる⋯⋯!

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