王子様の寵愛は突然に―地味っ子眼鏡への求愛のしかた―【コミカライズ原作】

「み⋯⋯そんなの言えるわけないよ」


真っ赤になった私は、リビングの二人用ソファの上で膝を抱えた。

言えるわけないって言う時点で筒抜けてる感が半端ないけど、そこは仕方ない。

実際、永斗さんは甘いもん。

けど今は『縁談』がちらちらしていて、それどろこじゃない。


「ふふ、そんな慌てないでください。王子のことは興味ありますが、今日は聞きませんよぉ。今日は。
先輩がどんな風になりたいのか、雑誌見ながら考えた方がいいかなぁと、思っただけですから」


なら最初からそう言ってよ!!


トレーにお茶を乗せてやってきた美久ちゃんは、円卓に並べながら微笑む。

美久ちゃんといるだけで、色々な部分が削ぎ落とされて、丸裸にされそうで怖い。
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