王子様の寵愛は突然に―地味っ子眼鏡への求愛のしかた―【コミカライズ原作】

幼馴染であり、漆鷲家で雇われている敏腕秘書。兼、僕のお目付け役。

こいつの情報は的確で早い。

どこから得ているかはわからないが、人の心をあっさりと見抜くのは、彼の十八番だ。

ヨーロッパ支社では、仕事の俊敏さと、目が合うと弱みを握られるという妙な噂が流れ、社員たちに恐れられていた。


しかし、気になるな。

『真面眼鏡』

周りにも流されず、睨みつけるかのようにパソコンと向き合っていた彼女。

島田の情報すべてを鵜呑みにする訳ではないが、どんな顔で笑うんだろう、

ふと、そんなことを思った。


これが全てのはじまりだった。

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