王子様の寵愛は突然に―地味っ子眼鏡への求愛のしかた―【コミカライズ原作】
「仕組まれてたとしても、こうして永斗さんといれることは奇跡だと思いますよ」
そう質問に答えると、碧い瞳がかすかに揺れる。
「私と会うために、何か努力をしてくれたということであれば、嫌なわけありません」
次第に大きく見開かれたダイヤモンドのような輝きを見て、私は言い切った。
嫌なわけがない。
そんな気持ちをもって、真顔を崩さない永斗さんをじっと見上げていると、やがてその表情に緩みが出てきた。
よくわからない状況に戸惑っていたぶん、ホッと胸を撫でおろしていると、
「なら、そろそろ来美にも種明かしをしよう」
永斗さんは苦笑しながら、足元いた私の手を引いて隣に座るように導いた。
――――――