王子様の寵愛は突然に―地味っ子眼鏡への求愛のしかた―【コミカライズ原作】
あれから、またなんどか浅く意識を手放して
また浮遊して――――
どのくらい時間が経過しただろう。
恍惚とした余韻に酔いしれていた。
「くるみ⋯⋯眠いの?」
ウトウトしていると、髪のあいだを永斗さんの綺麗な指先が何度もくすぐる。
上から下に。
右から左に。
するする――⋯
するする――⋯って。
ベッドの中でくっつきながら過ごす、このふわふわした時間がとっても好き。
「眠い⋯⋯」
「もう寝ちゃうの?」
愛しくてたまらない、というような
でも少しだけ残念そうな声が耳に入る。
ホントなら
「寝たく⋯⋯ない」
そう思ってるのに⋯⋯