王子様の寵愛は突然に―地味っ子眼鏡への求愛のしかた―【コミカライズ原作】


あれから二時間程集中して仕事していた私は、ふとフロア内に人が少ない事に気づき顔を上げた。

時間を確認すると、すでに終業時間を過ぎている。

ぎゅ――んと腕を伸ばし、デスクワークで凝り固まったカラダ伸ばした。 

私もそろそろ帰ろう。


「何?お前も珍しくもう帰るの?」


察した園部が、パソコンから顔を上げて、こちらに視線を注いでいた。

“も”ということは⋯⋯

向かい側のデスクを見ると、いつも可愛い小物で溢れているそこは片付いている。
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