具現化アプリ
「あぁ。俺も1度でいいから幽霊を見てみたいんだよ。こんなにオカルトが好きなのに、自分には霊感なんて少しもなくて、本当に悔しいんだ」


コウダイくんは本気で悔しがっている様子だ。


「それならまた今度2人で会おうよ」


あたしは『2人で』という言葉に力を込めていった。


コウダイくんは驚いた表情をあたしへ向ける。


しばらく考えているのは、きっとノドカのことを思い出しているからだろう。


その間あたしはなにも言わなかった。


ただ、静かにコウダイくんからの返事を待つ。


「わかった。また2人で会ってほしい」


「もちろんだよ」


あたしは満面の笑みで頷いたのだった。
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